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今回は
AND ENDLESS『美しの水〜white,blue,red〜』から、物語のキーパーソンである“源義経”をまるごとキーワードに、いただきました! 日本人が愛してやまない、このミステリアスな人物について、綴らせていただきたいと思っております!! |
昨年の大河ドラマは「義経」でしたが、その大河ドラマだけでも過去4度も源義経はメインで登場しています。歴史では僅か数年しか表舞台に登場しない義経が、なぜこれまでに日本人に愛されるのか?? 信長、秀吉ら戦国の武将たちには無い何が義経にあるというのでしょうか?
そもそも日本人の国民気質に関係がある気がします。欧米ではヒーローの条件に、ヘラクレスやスーパーマンなど健康的でマッチョなイメージを求めがち。シュワルツェネッガーやスタローン達が演じてきたハリウッドのヒーローたちも基本的には完全無欠の超人たちばかり。しかし! 日本人は弱いものの味方なのですっ! どこかにコンプレックスを抱えていたり、弱さを見せたり、逆境から這い上がる姿にこそ、強〜く魅力を感じてしまう。それが日本人の性なのです。“判官びいき”という言葉を知っていますか? 弱いものに、ついつい贔屓(味方)してしまうという意味で使われる言葉です。実はこの言葉にある判官とは、その役職にあった義経をそのまま指しており、まさに悲劇とコンプレックスに彩られた義経から生まれた言葉なのです!
遥かな時代を超越して愛されるヒーロー義経は、現在までの間に、嘘か真か、ありとあらゆる話が伝承されています。日本全国津々浦々に広まる義経伝説の中のひとつに、史実にあるように自害したのではなく、北海道へ落ち延びたとされる説があり、事実、北海道のあちこちに義経の名を冠した地所や神社などが実在したりします。
さらに注目したい説のひとつに、義経=チンギス-ハンというものが存在します。こんな伝説なら、事実だったら、いいのに!と思わず期待してしまうところですが、これらの諸説には実は現実的な理由が見え隠れもします。
と、いうのは国土拡大を狙った日本のシナリオに人気者の“義経”を利用したと考えられるからです。北海道に渡ったという説は当時、アイヌ民族が支配する開拓前の蝦夷地(北海道)を日本が領土とする上で、アイヌの人々の神=義経という説を浸透させようとしたらしいのです。同じようにチンギス-ハン説も明治時代に、世界に日本の大きさを知らしめる為に中国大陸の英雄であるチンギス-ハンこそ義経である!との大きな願望が込められて巷で流布されたらしいのです。言ってしまえば義経は現代でいう宣伝に使われた恰好の広告塔、親善大使、人気アイドルだったわけです。けれど、それもまた、彼の生涯が謎に満ちているからこそ、成立したとも言えます。
さて、今回のAND ENDLESSの舞台は、どのような義経を私たちに魅せてくれるのでしょうか? 2006年、5月、みなさんの心に、また新しい義経伝説が時代を超えて刻み込まれてゆくのです。
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| text
& Illustration/ Taro Kasai |
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| ◆プロフィール |
笠井太郎
(TARO KASAI)
ライター&イラストレーター
札幌生まれ東京在住 |
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創形美術学校卒業後、松竹シナリオ研究所を経て
市川崑監督の下に学ぶ。
その後、企業コピーライターなどを経て現在に至る。 |
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