3月4日土曜日。氷点下5℃を下回る寒さの中、NYのブルックリン・ミュージアム館内では人いきれがたちこめていた。なぜなら夕方5時以降は入場料無料となり、数々な催しものが繰り広げられるためである。毎月第一土曜日に行われるこのユニークな試みは「First
Saturday」と呼ばれ、最近では平均5500人もの人が訪れるそうだ。歴史的展示物や美術品の前で静かに当時の面影に浸るというのが一般的な博物館での過ごし方だが、子供から大人まで賑やかに、文化的な一時を過ごすというのが「First
Saturday」の流儀である。さらにこの日は「Mardi Gras」(マルディ・グラ)にちなんだイベントで活気があった。
「Mardi Gras」は、ニューオーリンズで毎年恒例行われる世界屈指のカーニバルである。もともとイースターの断食前のお祭りだったが、150年を経てニューオーリンズの様々な人種や文化が混ざりあい、現在の様な音楽やダンス中心のお祭りとなったそうだ。今回はその「Mardi
Gras」を祝して、ニューオーリンズ・ジャズをモチーフにしたバンド「New-Trad Octet」が招かれ、アフリカンアートをバックに明るい旋律と軽快なリズムを響かせていた。
その他館内で映画の上映、子供向けの人形劇などが行われる一方、近代絵画に囲まれた大広間ではダンスレッスンが行われた。サンバダンスを経験したことがない人も、中央のインストラクターを手本にステップを修得しようと必死。慣れない動きにちょっと息をはずませる人の姿も見られた。サンバダンスに慣れた頃、会場の照明が暗くなり、ダンスホールはコンサート会場へ様変わり。そしてブラジリアンバンド「Grupo
Saveiro」によるライブパフォーマンスが始まった。彼等のエネルギー溢れた演奏に釘付けになる人もいれば、次々に刻まれるサンバのリズムで踊り出す人もいて、その前のダンスレッスンに参加した人にとっては、この上ない腕試しのチャンスとなった。また、音楽も然ることながら、軽食やアルコールも売られ、子供も大人も終始上機嫌。
この様に「First Saturday」は、館内の展示物を身近に感じながら、訪れた人全てが楽しめる贅沢な参加型イベントであり、ニューヨーカーに支持されている。この企画を果敢に取り組み続けるブルックリン・ミュージアムにただ脱帽するばかりだ。

【Brooklyn Museum】
http://www.brooklynmuseum.org/
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