2000年に宇田学氏を中心に旗揚げされ、神戸を拠点として活動を続ける劇団・PEOPLE
PURPLE。その次なる公演『ENDLESS TRIP (エンドレス トリップ)』は、感情さえコントロールさてしまう、荒廃した100年後の未来世界で、それでも強く生きていこうとする若者達の姿を描いている。2000年の初演時に高い評価を得たにも関わらず、再演の実現には5年を要したわけだが?

「自分たちの公演の中でも一番、再演希望の多い作品だったのですが、初演の頃は自分も脚本を書き始めたばかりで、時代背景や人間ドラマの部分など、描けていない部分が多すぎた。再演するなら、そこをもう一度じっくり見直して、脚本にしろ演技にしろ、もっと高いレベルになってから…と考えていました」(PEOPLE
PURPLE代表・宇田学氏)

暗闇をさまよいながらも、光を手に入れるために強く心をつなぎあう、若者たちの物語。
宇田氏と劇団にとって、この5年とは作品の質の向上の上で、必要不可欠の期間であったということだろう。それでは、満を持しての再演となる今作、その見どころは? 初演の時とは何が変わっているのだろうか?

「ストーリーは大きく変わっていますし、人間ドラマの部分により深みを加えています。また、初演の時に描き切れていなかった未来世界の描写も、舞台装置や映像効果などでグッとスケールアップさせました。初演時の漠然としたテーマだった『仲間といろんな愛情』も、趣旨は残しながらも深みを増しているはず。出演者も増えていますし、初演をご覧になったお客様が見たら、別の芝居と思っちゃうかもしれないですね」

災害現場で活躍するレスキュー隊員を描いた『ORANGE』、ふわっとしたファンタジー作品『Santa Claus』など、様々な作品を見せてくれてきたPEOPLE
PURPLE。その作品群に通底するテーマのようなものはあるのだろうか?

「劇団の色を決めてしまいたくはないんです。『こんな色もある』というのを常に出していくことで、より多くのお客様に飽きることなく楽しんでもらいたいし。『そろそろ色を決めたら?』とも言われますが、今はまだ、それをはしたくない。もっと色々やってみたいんですよ」

初演の高い評価にもかかわらず、ストーリーまでも大きく変えて臨む新たな『ENDLESS TRIP』。そこにもやはり、宇田氏が考える変幻自在の演劇のスペクトルのようなものが反映されることになるのだろう。間近となったその時に向けての、今の気持ちを最後に聞かせていただいた。

「かなり緊張している部分は確かにありますが、見ていただければ絶対に楽しんでもらえる自信もあります。『試しに』でもいいですから是非、劇場に足を運んで欲しい。演劇の文化が大きくなっていくことが、僕の一番の目標。そのために、みんなで良い作品にしていこうと頑張ってます。一人でも多くのお客さんに観てもらえたら嬉しいですね」 |