新神戸オリエンタル劇場
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2006.9.16〜17

今市子氏の人気マンガを、わかぎゑふ氏が脚色して人気を集めた花組芝居『百鬼夜行抄』が、2003年の初演に続くパート2としていよいよ公演を迎える。公演を前に、演出の加納幸和氏をお迎えして作品について語っていただいた。まずは今回の公演の見どころについて。
 
「今市子さんの絵のイメージを大切にしています。また、前回が言ってみれば『妖怪版サザエさん一家』という設定で、割とカジュアルな感じで作っていたのに比べて、今回は登場人物たちの会話がウエイトを大きく占める部分もあるので、ドラマの中にしっかり入っていこうと思っています。マンガを演出する、というよりも現代劇を作っているという感じでしょうか。原作の持つコミカルな部分とファンタスティックな部分のうち、前回がコミカルタッチの部分が多かったとすれば、今回はファンタスティックな側を多めに描いていきます」
 
わかぎ氏の脚本が「前作にも増して荒唐無稽なト書き」(加納氏)満載だったため、得意のイリュージョンにも工夫を凝らし、よりシンプルでありながら、歌舞伎などに見られるような“見立て”の面白さも併せ持った舞台を見ることが出来そうだ。ではそのわかぎ氏の脚本とは、どんなものなのだろうか?
 
「前作はおもちゃ箱をひっくり返したようなイメージだったのですが、今回はかなり違っていて、人間の悩んでいる様子がしっかり描き込まれています。全体としてシックな印象になっていて、原作にしっかり向き合うというテーマと共に、そこも大事にしていこうと思ってます」
 
加納氏同様、小さな頃から歌舞伎に親しみ、少女マンガの世界でアシスタントの経験もあるわかぎ氏は、この作品においては実に心強い戦友、とでも言える存在なのだろう。
 
「とにかく役者のことをよく分かってらっしゃる上に、『少女マンガのファンは、ここを押されると嬉しいのよ』なんていう、僕にはまったく分からないところが見えているんですね。また、わかぎさんが狙ったそういう部分が、確かに舞台でもウケるんです。前作ではお客様からの評価もよく、我々の方にも大きな手応えを感じたこともあり、いつかは再演、という形ではなく新作のパート2をやりたいとは思っていました」
 
時にユーモアも交えた加納氏の受け答えからは、公演に向けてのしっかりした手応えが感じられた。
 
「ぼくらは歌舞伎の要素から入ってきたんですけれど、同時に等身大なお芝居をやってみたいという気持ちもありました。原作を読んだときに、荒唐無稽でありながら、等身大な家族を中心にドラマが進んでいく、と言うことで、おこがましいかも知れませんが、(これを舞台にするのは)きっと自分たち以外では出来ないだろう、という思いもありましたから」
 
原作を読んでから観に行くか、お芝居を楽しんだあとに原作を読み返してみるか…。楽しみ方もいろいろありそうな『百鬼夜行抄2』。夏の終わりにすてきステキな時間が待っていそうだ。
 
  
text / Osamu Kato

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