新神戸オリエンタル劇場
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2006.12.9〜12.10
神戸・湊山消防署。ここを本拠に日々、命の最前線、災害現場で戦う男たち。通称「オレンジ」と呼ばれ、消防士ならば誰もがあこがれる存在である彼ら、特別救助隊員。だが、彼らの心の中には今も、10年前に味わった大きな敗北感が澱のように残っている。阪神・淡路大震災…。PEOPLE PURPLEを代表する大作「ORANGE」、神戸での再演だが、その構想のきっかけになったもの、そして再演に向けての思いとはどんなものなのだろうか?
 「この作品を作った動機は震災時、必死に動いていた消防士を僕が見たときにこの作品を書くことを決めました。その当時、別に作家をしていたわけではないんですが、そう心に思ったのは今でも覚えています。
今回、何故また再演という形をとったのかというと、現実との矛盾ですかね。震災からもうすぐ12年。10年の節目のときは、特集が組まれたり、いろんな形で震災を忘れないという運動が行われていました。でも、次の年、震災は、ほとんど報道されてませんでした。僕は矛盾を感じて仕方なかった。それに納得がいかなかったのは事実です。1年の違いはなんなんだろう。10年経とうが11年経とうが、伝えていかないといけないものだと考えました」(PEOPLE PURPLE代表・宇田学氏)


 何よりも「忘れない」ために、「風化させてしまわないために」演じ続けていきたいと語る宇田氏。ではその「ORANGE」、そこに込めたテーマと見どころはどのあたりになるのだろうか?

 「見どころは、突入シーンですかね。消防士の本物の装備を付けて、火の中に突入していくシーンは迫力があるんではないかと。
作品に込めたテーマは、『命、そして生きる』。ストーリーの中に出てくる消防士達がたった一つの命を救うために、奮闘します。『命』の尊さを知る彼らが震災を乗り越えどう生きているのか。それを表現することで、言葉では伝えられないものが心に届くように、作品を創りました」


神戸とは切り離せないテーマに斬り込む「ORANGE」。最後に、宇田氏にとっての神戸という街への思いと、観客の皆さんに向けてのメッセージを訊ねた。
 
 「神戸は大好きです。その気持ちは今でも変わりません。初演の頃は、演じる上で、精神的にも肉体的にもいっぱいいっぱいでした。
しかし、この作品も、もう6都市以上で公演してきました。今は、気持ちが充実した状態で臨めています。初めは、受け入れられるかどうかで頭がいっぱいでした。実際にあった事を表現し、演じるわけですから。多くのお客様に支えられて、この作品は出来上がったと思います。
『ORANGE』に対しては愛着があります。肉体的にも精神的にも限界のラインでやるお芝居ですので、役者として演じていても、やりがいがある作品です。震災を経験した方も、経験してない方も。何か心に届くものはあると思います。是非見に来てください」

text / Osamu Kato

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