新神戸オリエンタル劇場
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2007.5.3〜5.4

 今井雅之、10年ぶりの新作脚本となる「産隆大學應援團」。18年にわたって公演されていた彼の代表作、「THE WINDS OF GOD」に換わる新作公演のタイトルだ。昨年11月5日の沖縄公演をもって、いったん区切りをつけた前作に続く本作品は、2005年にフジテレビで深夜枠に放映されたドラマをベースにしたもの。
 
 「(特攻をテーマにした)『WINDS OF GOD』のイメージを持ってこの作品を見た方は、『今井はどこに行こうとしているんだ』と思われるかもしれません。社会派でも何でもない、『これはおふざけですか?』と言われたらそうです、と答えるしかないような作品で…」
 
 取材時には、序盤から軽くギャグを交えたジャブを繰り出してきた今井氏。今回の舞台は、映画「がんばれベアーズ」の応援団版、と思ってくれればいいと言う。今や絶滅危惧種とでも言うべき、応援団を舞台にしたコメディ仕立ての作品だそうだ。
 
 「部員も少なく、廃部寸前になった母校の応援団を救うために、20年前に応援団長を務めていた男がやって来て、彼らを鍛え直していくというお話です。その中で『応援』とは何かを問い直していけたら、と。
いろいろ批判されることもあるかもしれませんが、あえて身体を張って物を教えることは素晴らしいことなのだ、怒れない風潮こそを怒るべきなのだ、という部分を、連帯責任を風刺的に笑うようなコメディ仕立てにしてはいますけれども、しっかり描いていきたいと思います」
 
 実際に大学の応援団を取材させてもらい、その中で感じた違和感や見解の違いなども交えつつ、一方的に体罰や権威主義が否定されてしまう昨今の風潮に、本当にそれで良いのか? 硬派であること、男気にあふれた人物であることは、ただの時代遅れな話でしかないのか? といったメッセージも込めた。若い人には新鮮に、団塊の世代にはどこか懐かしいと思わせる作品を目指すという今井氏。テレビドラマ版とは異なり、女性の登場人物やダンスシーンなども新たに登場し、華やかさも増したステージになっているという。
 
 「自分が一番好きだったのは'70年代の男っぽい刑事物や探偵物のドラマ。自分もあんなドラマに出演したくて役者を目指したのですが、自分が役者になった頃にはトレンディドラマ全盛で…。
最近になって『ちょい悪』みたいな、『ちょい硬』の男っぽい世界がちょっと復権しつつあるという話も聞きますし、『はっきり物を言う』風潮が求められているんじゃないのかな、という気持ちもあります」
 
 作中のセリフにもある「応援とは一方通行の愛である」という言葉を引いて、「応援団は日本の文化です」と述べる今井氏。コメディの中に秘められた、忘れられつつある「佳いもの」への思いの伝わる舞台が楽しみだ。

text / Osamu Kato

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