--友情と愛、出会いと別れの交錯する三つの物語--
保元・平治の乱を時代背景に、勃興する武士階級の二人のリーダー、源義朝と平清盛を主人公に据えたのが開幕編の「White」。二人が互いに相手の力量、人間的魅力を認め合いながら、覇権を争い、愛情を求め合う過程の中で、そこに修復不能なヒビが入り、大きくなっていく様が、皇族を祭り上げ、平家一門と組んで覇権を握ろうとする怪僧・信西、義朝を認める東北の雄・藤原氏などの魅力的な登場人物たちとからみ合い、魅力的な物語を作り上げていく。
粗野だが真摯、典雅だが策謀家、という対照的な人間性の義朝と清盛だが、自分にない部分を相手に見いだし、認め合っていた二人の間に最初の運命の女性、常盤が登場することで、固い絆であったはずの二人の友情が壊れ、それが愛の行方にまで大きな影響を与えていく。ここにさらに、義朝との出会いでその生き方を大きく変えていく二人の女性、後白河法皇と奥州の戦士、静の物語が加わって、悲劇ではあるのだがその中に、次の世代への大きな希望を託す形で第一話は終了する。三部作の最後に出来た作品と言うことで、何よりその完成度の高さ、熟練ぶりが感じられるのが「White」だ。

続く「Blue」では義朝と常磐の子、義経を主人公に、義経と兄頼朝、血族である義仲という源氏の若者たちの物語と、清盛の遺業を継ぐべく苦闘する平家の一子、知盛の物語を軸に、平家滅亡までの物語が展開する。
かつて常磐を巡って持ち上がった義朝・清盛の愛憎の図式は、義朝の子、頼朝・義経兄弟と「White」に登場した静の娘で同じ名を持つ頼朝の白拍子、静の関係に引き継がれる。
同じく前作で怪僧・信西が担当していた陰謀のパートには、義朝との出会いで自ら戦うことを知った後白河とその忠実な部下、九条兼実がおさまり、繰り返される愛憎の図式を組み立てる。よく知られた"義経伝説"の前半部分がベースとなっているだけに、物語の背景説明などはすんなりとわかりやすく、その分、新解釈された若者たちの青春群像を存分に楽しめる作品だ。制作順では第一作目に当たる「Blue」には、型破りといえるほどの若々しい魅力が満ちあふれている。

最終話となる「Red」は義経伝説の後半のパート。義経、頼朝兄弟の愛憎を軸に、主従の絆、親子の愛が描かれる。
登場人物には複雑さと深みが増し、やや暗くなりがちなストーリーにも、随所にさりげなく明るい部分が挿入されて観客を飽きさせない。前作でやや怪しい存在感を振りまいた頼朝の妻、政子のさらにグレードの上がった存在感、三作を通して出演する後白河法王の気持ちの揺れなど、見どころは多い。様々な出会いを経て紡がれてきた物語は、多くの物を失いながらも、それでもなお、出会うことを夢見て生きていく若者の姿で幕を閉じる。
|