新神戸オリエンタル劇場
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ロックファッションに身を包んだ若者たち、長年のコレクターズファンといったアダルト層、さまざまな層で埋め尽くされた劇場内。コレクターズでロックで椅子。大半のオーディエンスが、この目新しい企画と劇場のおごそかなムードに少々戸惑いつつも、期待満面に開演を待ち受けている表情だ。
演。キーボーディストが現れ、なぜか『戦場のメリークリスマス』を独奏する。座がすっかりしんみりしてきたところで、コレクターズのメンバー登場。加藤ひさし(Vo.・リーダー)が開口一番「もう、湿っぽいのはいいから」。非情なリーダーの言葉に、一転して会場は安堵の息。ああ、やっぱりいつものコレクターズだ。リーダー、広い客席を見渡して嬉しそうな笑顔。

「今日は座って聞いてくださいね。興奮しても立ち上がらないように」
『夢みる君と僕』からライブはスタート。古市コータロー(G.)の軽快なアコースティックギターの音色にリーダーのボーカルが伸びやかによく映える。また、小里誠(B.)、阿部耕作(Dr.)の、普段よりグッと音数を減らしたリズム隊が刻む心地よいビートに、座っていながらもつい体が揺れてしまう。『・・・30・・・』では、歌詞に出てくる30を自分たちの年齢に置き換え、失笑を誘う場面も。緊張がほどけてすっかりくつろいだ様子のオーディエンスとメンバー。もっとも、メンバーは最初からくつろいでいたように見えたのだが。

が途切れると急に静かになる客席に、リーダーの鋭い突っ込みが入る。
「みなさん、普段こんなきれいなホールには、来たことないでしょ?こんなふわふわの椅子で観たことないでしょ?なんだか、落ち着かなさそうだもん(笑)」
そして、ジャムセッション風に始まった『恋の3Dメガネ』。熱いイントロにまたもや椅子から身を乗り出したい衝動に駆られてしまう。が、冒頭の注意を思い出して踏みとどまった人も大勢いたことだろう。かと思えば『冬の観覧車』など、ゆったりしたテンポの曲の曲も交えながら、新旧問わずのセットリスト。次はいったい何がくるのか? わくわくしながら次の曲を待つのも楽しい。  

イブ中盤で今宵のゲスト、the pillowsの山中さわおが登場。まずはコレクターズのメンバーに囲まれての近況トーク。ツアー先での話や、今回のイベントが実現するまでの、リーダーとのとんちんかんなメールやりとりなどの話題でひとしきり客席を湧かせたのち、the pillowsの曲から『アナザーモーニング』をセッション。一転してさわおカラーに染めあげられる音空間。つづいて彼がコレクターズに提供した楽曲『MY TRUE COLOURS』では、リーダーと交代でボーカルをとる。2つの個性異なるはずの声色が、反発し合うことなく自然と一曲の中で混ざり合っていた。ほかにも『地球の小さなギア』『Funny Bunny』などを披露してゲストコーナーは終了。再びコレクターズのみで数曲演奏したのち、本編終了となった。

ンコール。ここでもう一度さわおを迎えての『1・2・3・4・5・6・7 DAYS A WEEK』。明日、the pillowsのライブが控えているという彼を、大きな拍手で見送ったあとは、いよいよライブも終盤。ノスタルジックなバラード『トークバック』に続いて、仕上げは勢い満載のロックチューン『僕の時間機械(タイムマシーン)』。思わず飛び跳ねてしまいそうなアッパーなビート。アコースティックとはいえ、曲のもつダイナミックさや熱さはそのままなのだ。オーディエンスたちは、椅子から立ち上がれないジレンマを逆に楽しむかのように、手拍子を会場いっぱいに響かせていた。

ビュー20周年を迎えロック界の重鎮と言わしめる存在になった今でも、さまざまな新しい企画を試み、進化し続けるザ・コレクターズ。シンプルな音構成だからこそ、技術力が良くも悪くも際立つのがアコースティックなのだが、今回はその点でも彼らのキャリア・実力の凄味、そして楽曲の素晴らしさを改めて実感できたライブではないだろうか。「ROCK'N CHAIR」シリーズ、そして、コレクターズをリスペクトするアーティストたちとのコラボは今後も続いていきそうだ。さて次回はどんなゲストを迎え、どんな曲を披露してくれるのだろう。ますます期待はふくらむばかりだ。

text / Miho Nogami

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