新神戸オリエンタル劇場
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「THEWINDS OF GOD」のロングラン公演で知られる俳優、今井雅之氏の新作は、前作とは打って変わったハチャメチャ・コメディ。今や絶滅危惧種の一つになってしまったといえるかもしれない大学の応援団を舞台に、今井氏独自の"アツい"メッセージが込められた芝居になっている。とはいえ別に難しく身構える必要はなく、今井氏が突然振ってくる「アドリブコーナー」なる役者いじりのつかみや、客席までも巻き込んでの応援パフォーマンス、女性ダンサーも交えたダンスシーンなど、次々と繰り出されるさまざまな見せ場に引き込まれてしまう。
統ある産業隆興大學應援團の現団長、望月はその第38代目。だが、世相の移り変わりは如何ともしがたく、今や応援団の団員は、大學の部として存続できる最低限の部員数の6人にも満たない有様。なんとかして新入部員を獲得し、自分たちの代での廃部、などという事態を避けたいと思っている部員たちだが、なかなか事態は好転しない。そんな噂を聞きつけて無理矢理、団に乗り込んできたのは、20年前の伝説の団長、渕村だった…。「応援は一方通行の愛」であり、一方通行で愛を押し通すと言うことは、とりもなおさず自分が「バカになる」ことでしか実現できないのだと説く渕村の登場が、バラバラになりかけていた団員たちの心に、少しずつだが大きな変化を起こしていく…。

ーラス部のコンクールに乗り込んで、大声のエールを送って会場から追い出されてしまうような、ある意味まともな常識を持ち合わせていないとしか思えない応援団の面々。そんな彼らの「奇行」を序盤は笑いながら見ていくのだが、その笑えることどもの後ろにある何かが見えてくると、今度はそういった彼らの奇行が、とてつもなく愛おしい物に見えてくるのが不思議なところ。その愛おしさとは、限りないひたむきさだけが産み出すことのできるバカバカしさなのであり、たとえ結果はバカバカしくても、そこに連なる過程には何のやましさも打算も混じってはいない、そんなピュアさが舞台から伝わってくるからだろう。

貴久演じる現団長以下、5人の団員たちのそれぞれの個性、そのキャラクタごとに用意された「ピュアさを取り戻す」ためのエピソードが時に楽しく、時に熱い。何の見返りもなく、ただひたすらに誰かを、何かを応援し続けることのどこが悪いのかね? 端からどう見えようと、それが出来る連中とは限りなく素敵な連中なのではないのかね? そんなメッセージが爆笑の向こうから見えてくるようだ。
text /Osamu Kato

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